波浪・潮位
波浪
海洋表面の波動のうち、風によって発生した周期が1~30秒程度のもので、風浪とうねりからなります。
風浪
その場所で吹いている風によって生じた波で、個々の波は不規則で尖っています。発達した風浪ほど波高が大きく、波長や周期は長いです。
うねり
遠くの台風などにより作られた波が伝わってきたもので、滑らかな波面を持ち、波長の長い規則的な波。波長が100m以上、周期が8秒以上のものが多いです。
しけ
強風のため海上が荒れること。
高波
被害をもたらすような(波浪注意報・警報の対象になる程度)の高い波。何m以上という定義はありません。
高潮
台風や発達した低気圧に伴う気圧降下と強風などのため、天文潮に比べて海面が異常に上昇する現象。高潮の高さは、実際の潮位とその時刻の天文潮との差(潮位偏差)で表す。
津波
海底で発生する地震により生じる大きな波を言います。海岸沿いの山体崩壊や海底地すべりで起こることもあります。
波高計
海岸近くの波の高さを測定する計器。多くの種類がありますが、水底に設置し、水表面の昇降にともなう水圧変化から求める水圧式、海水中に立てた鉄管内の空気の圧力変化を自記する方式、あるいは音響測深を利用するなどの方法があります。
波数
観測時間(通常20分間)内に計測された波の数を意味します。
波高
波高とは波の谷から山までの高さです。
周期
波の山(谷)が来てから次の波の山(谷)が来るまでの時間。
最高波・最高波高・最高波周期
観測時間内に計測された波の中で最も大きい波を意味します。その波高を最高波高、周期を最高波周期といいます。ただし、最大波周期は、周期が最も長い波の周期ではなく、波高が最大の波の周期です。
平均波
観測時間内に計測された全ての波に対し、それらを平均した仮想の波です。その波高を平均波高、周期を平均波周期といいます。
平均波高(m)
ある地点の一定時間に観測される波の波高を平均したものです。
平均波周期(s)
ある地点の一定時間に観測される波の周期(波の山から次の波の山が来るまでの秒数)を平均したものです。
平均波向(16方位)
ある地点の一定時間に観測される波の進行してくる向きを平均し16方位で示したものです。
有義波
観測時間内に計測された波を大きい順に並び替えます。そして大きい方から全体の1⁄3に相当する数の波を取り出して平均した仮想の波です。その波高を有義波高、周期を有義波周期といいます。
有義波高は目視によって観測された波高に最も近い値であるとされ、波の大きさを示す代表値として、最も標準的なパラメータです。また、通常単に波高、周期と言った場合、この有義波高、有義波周期を意味します。
有義波高(m)
ある地点の一定時間に観測される波のうち波高の高い方から1⁄3個を選んだものを有義波といい、その平均した波高を有義波高といいます。
有義波周期(s)
有義波の周期を平均したもので秒単位で表現されます。
1⁄10最大波・1⁄10最大波周期
有義波と同様、観測時間内に計測された波に対して、大きい方から全体の1⁄10に相当する数の波を取り出して平均した仮想の波です。その波高を1⁄10最大波高、周期を1/10最大波周期といいます。
平均水位
海象計により演算・出力される平均水位とは、超音波(超音波を用いた波高計機能)によって計測された観測時間内における海面位置の平均値を意味します。物理的にはセンサの設置水深を基準とした、海面の平均偏差に相当するものです。また、平均水位は平均海面、あるいは平均水面と呼ばれることもあります。
なおこの平均水位とは、主として潮位変動に伴う海水面の変動を示すパラメータですが、上述の通り観測条件として設定されたセンサの設置水深に対する相対値であり、潮位の絶対値を示すものではありません。そのため、この値を港湾工事等に利用する場合には注意が必要です。
流速
流速とは,その名の通り海中における水の運動速度を意味します。代表的な現象としては潮流や海流が挙げられます。また流速の単位は㎝/sを使用しています。 なお,海象計では最大3層における流れを計測可能であり,U, M, Lはそれぞれ上層,中層,下層の情報であることを意味しています。
流向
流向とは、潮流や海流等、対象としている流れの方向を意味します。風向や波向は、それぞれ風あるいは波がやって来る方向を示すのに対し、流向は流れ去る方向、すなわち流れが向かっていく方向であることに注意が必要です。また出力される流向は、北を0゜として時計回りに360°までの角度、あるいはその角度に対応する16方位によって表現されます。 なお、U, M, Lは流速と同様、それぞれ上層、中層、下層の情報であることを意味しています。